交代勤務睡眠障害(SWSD)
交代勤務をしている人がなりやすい睡眠障害です。具体的には、交代勤務のために睡眠時間帯が頻繁に変化することにより睡眠や精神・身体機能が障害される症状のことをいいます。
症状
入眠困難
中途覚醒
典型的なものでは、夜間の勤務を終えて朝方から睡眠をとる際になかなか寝付けず、寝付いても何回も途中で目が覚めてしまうという症状が認められます。
眠気
集中力の低下
起床後に疲労回復感が乏しく、夜間の勤務時間帯における眠気と注意集中困難および作業能力の低下がみられます。深部体温リズムやメラトニン・コルチゾールなどのホルモンリズムは夜間勤務に伴う睡眠スケジュールに完全に同調しにくいため、上記の症状は、交代勤務に伴う睡眠・覚醒スケジュールと、他の生体リズムとの間のずれによると考えられています。
治療
日中の光の遮断
夜間の高照度光照射
まとまった期間夜勤が続く場合には、個々の生体リズム間のずれを改善し、夜間勤務時の覚醒レベルを高めるために夜間の高照度光照射を行うことがあります。また夜間勤務中に仮眠をとると作業能率の低下が少ないとも言われています。さらにカーテンなどで日中の遮光に十分注意すれば、日中の睡眠内容を改善させることも可能です。
勤務形態の変更
三交代勤務の場合には「日勤、準夜勤、深夜勤」の順にシフトを組むと生体リズムを同調させやすいことがわかっています。しかし本人のリズムもあるため、自分に合った勤務形態を選べるように相談することが望ましいともいえます。