腎臓
尿をつくる器官で、血液の老廃物を濾過して尿として排泄する働きをするのが腎臓になります。そのことで体液のバランスを保っているのが腎臓の働きになります。腎臓の糸球体で絶えず血液をろ過して、一日に約150リットルもの原尿が作られています。これはドラム缶1本分に相当します。この原尿を尿細管が水分を再吸収し1.5リットルほどの尿となり排泄されます。このように腎臓でのろ過の機能が円滑に働くには、血液の流れが一定に保たれている必要があります。尿には水に溶けやすいものが、便には水に溶けにくいものが排泄されます。
腎臓の構造
形:ソラマメのような形
場所:後腹腔内
数:左右に1つずつ
重さ:1つの重さは120−150gほど
長さ:11cm
1つの腎臓に100万個のネフロンがある
1つのネフロンは1本の糸球体と1管の尿細管がある
血液がろ過されて尿が作られるプロセス
それぞれの腎臓には腎動脈から1分間に1リットルもの血液が供給されています。これは心臓から出る血液の2割に相当します。その腎動脈から供給された血液は糸球体でろ過されて150L/日の原尿になります。その原尿は糸球体から尿細管(近位尿細管→ヘンレループ→遠位尿細管)を経て集合管に移動します。それらの過程で99%の原尿が再吸収され、原尿の1%である1.5Lの尿が体外に排出されます。
腎臓の機能
腎臓の機能は大きく分けて以下の5つが挙げられます。
①尿をつくる(血液中の老廃物の排泄)
腎臓には、腎動脈から1分間に約1Lの血液が送られます。これは心臓から出る血液の2割にあたります。そんな大量の血液を処理する腎臓ですが、1つの腎臓には約100万個のネフロンという組織が存在します。そのネフロン一つ一つで尿がつくられています。ネフロンは、糸球体とよばれる毛細血管のかたまりとそれを包む部分(ボウマン嚢)および尿細管からなります。糸球体でろ過された血液(原尿)は尿細管を経て尿となります。その尿の中には血液中の老廃物や不要物が余分な水分とともに排泄されます。
②水や電解質のバランスを調整
尿細管は身体に必要な電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、重炭酸イオン)を取り込みます。そして不要なものは尿の中へ出して排泄します。そのことにより、体内の電解質バランスを一定に保ち、血液を弱アルカリ性に保っています。
③血圧の調整(レニンの産生)
腎臓は血液の流れが悪くなるとセンサーが働き、レニンという酵素を分泌します。レニンが血液中のたんぱく質と反応して生成されるアンジオテンシンIIが、血管を収縮させて血圧を上昇させます。腎臓はレニンの分泌量を増減させて血圧を調整します。
④血液(赤血球)をつくる働きを助ける(エリスロポエチンの産生)
腎臓はエリスロポエチンというホルモンを分泌しています。エリスロポエチンは骨髄の造血幹細胞に働いて、赤血球の数を調整しています。腎臓の機能が低下してエリスロポエチンの分泌が少なくなると赤血球も減少するため、貧血症状があらわれます。
⑤ビタミンDの活性化
ビタミンDは肝臓に蓄積されています。肝臓から腎臓に移ると活性型ビタミンDとなり、色々な働きをします。活性型ビタミンDは小腸からカルシウムの吸収を促進して、カルシウムの利用を高める作用があります。そのため、腎臓の機能が低下するとカルシウムの吸収が悪くなり、骨軟化症や骨粗鬆症などの原因になります。また、低カルシウム血症になると、筋肉痛、しびれ感、全身痙攣発作などが起こります。