見当識障害
①時間、②場所、③人物のいずれかがわからない状態のことをいいます。近時記憶から障害されるため①時間→②場所→③人物の順でわからなくなります。そのため①時間から順番に確認を行うと見当識障害の程度を把握することができます。
見当識の3つの要素
①時間
今日が何月何日か、今の季節や西暦などが認識できているかを確認します。
②場所
その人がいる場所について認識できているか。例えば、病院や病棟、「治療をする場所」など、その人がいる場所を認識できているかで判断します。
③人物
周囲にいる人のことが認識できているか。例えば看護師や医師など医療従事者の認識や面会の家族を認識できるかで判断します。
ケア
環境調整
環境が変化すると見当識障害が起きやすくなります。そのため環境が変化しても状況を認識できるように、入院している場所、時間、人物についてわかるように掲示をすると状況認識を促すことができます。具体的には張り紙や時計、カレンダーなどにより見当識を把握できるように努めていきます。
不安を助長させない
見当識障害があると不安状態であるため、本人の発したことを否定すると不安が助長してしまいます。正しい認識ができるように視覚物などを用いて関わると効果的です。
リアリティオリエンテーション
見当識の認識をできるようにオリエンテーションを行うと状況認識を促すことができます。また日々の関わりのときに見当識を意識した声かけを行うことにより状況認識を促すことができます。例えば「ごはんですよ」よりも「朝ごはんですよ」の方が日時の把握を促すことができます。