PCI(経皮的冠動脈形成術)
心臓にある冠動脈の狭窄や閉塞した部位をカテーテルを用いて拡張や再開通させる治療のことをPCI(経皮的冠動脈形成術)といいます。狭心症や心筋梗塞などの疾患で行われます。
適応
狭心症
心筋梗塞
治療時間
約1-2時間
カテーテル挿入部位
カテーテル挿入部位は主に3箇所になります。
橈骨動脈(手首)
上腕動脈(肘)
大腿動脈(足の付け根)
治療方法
バルーン血管形成術(POBA)
冠動脈の狭窄や閉塞している部位にバルーン(風船)のように膨らむ機能があるカテーテルを挿入し、狭窄や閉塞している部分の血管を広げていきます。PCIの中で最も古い方法ですが、再狭窄率が高く、現在は単独で行われることはあまりありません。
粥腫切除術(アテレミトミー)
ロータブレータ
先端にダイヤモンド粒子のついたタマゴ型のもの(burr:バー)を高速で回転させてアテロームを削り取ります。高度に石灰化病変されている場合に選択されます。
方向性冠動脈粥腫切除術(DCA)
冠動脈の狭窄や閉塞している部分をカッター状のもので切り取ったり、先端部分を高速回転させて削り取ります。近年は製造が中止されています。
ステント留置法
先ほどのバルーン機能にステントを搭載し、冠動脈の狭窄や閉塞している部分をバルーンで膨らませてからステントを留置します。種類としてBMS(ベアメタルステント)やDES(薬剤溶出性ステント)などが挙げられます。
・BMS(ベアメタルステント)
狭窄部位に金属ステントを留置する方法をBMSといいます。POBAやDCA単独と比較し再狭窄率は低いものの、ステント周囲に増殖する内膜組織により、再狭窄が30%程度あります。そのため、DESを用いられることがPCIの主流となっています。
・DES(薬剤溶出性ステント)
狭窄部位に薬剤を長期的に溶出するステントを留置する方法をDESといいます。ステント留置部の新生内膜の増殖を抑制し、再狭窄率を減少させています。