尿路感染症(UTI)
おしっこの出口(尿道口)から細菌が膀胱の中に進入し感染する状態のことを尿路感染症(UTI)といいます。尿路とは尿道、膀胱、尿管、腎臓のことを指します。膀胱の中で感染がとどまっているものは膀胱炎と呼ばれます。男性の場合は前立腺で感染すると前立腺炎と呼ばれます。細菌が膀胱からさらに腎臓まで進入すると腎盂腎炎を起こします。尿道は男性より女性の方が短いため、尿路感染症は女性の方が起きやすい状況にあります。
症状
発熱、排尿時痛、尿臭、尿混濁、血尿、下腹部不快、腰背部痛、頻尿、残尿感
検査
尿検査
感染が起きると白血球が体内から尿中へ出ていきます。白血球は細菌と戦っているため白血球数が増えると細菌の感染の指標になります。
尿培養検査
尿培養 尿中の細菌が増殖している場合、その細菌を培養し育てることにより、どんな細菌が存在しているか明らかになります。そのことにより、効果的に細菌に薬剤を投与すればよいかの指標になります。
血液検査(採血)
・WBC上昇
・CRP上昇
・Cr上昇
腎臓で細菌が増殖すると腎機能の低下します。
・PSA上昇
前立腺で細菌が増殖するとPSAが上昇します。
画像検査
・CT検査
・超音波検査
採血や尿検査で診断がつかないとき行います。
診断
尿の中に細菌がいることを確認することで診断します。
治療
抗菌薬
膀胱留置カテーテルの挿入
残尿が多い場合は尿道から膀胱内にカテーテルを留置することがあります。
ケア
水分を積極的に摂取
住み着いた細菌を尿で流し出すために水分を多く摂取していきます。尿を我慢して膀胱にたくさんの尿が溜まっている状態だと、細菌が尿の中で増殖しやすい状況になります。そのため尿は我慢せずに頻繁に排泄していきます。
尿道口周囲の清潔を保つ
尿道口周囲の清潔が保てていないことにより尿道口から細菌が侵入していくため(逆行性感染)、尿道口周囲の清潔を保っていきます。
腰部の冷罨法(腎盂腎炎)
腎盂腎炎では腎臓に炎症が起きているため、腎臓の炎症を抑えること、細菌の増殖を抑えるために腎臓のある腰部を氷枕やアイスノンなどで冷やしていきます。