骨髄異形成症候群(MDS)
造血幹細胞に異常が起き、正常な血液細胞が造血されなくなる疾患の集まりのことを骨髄異形成症候群(MDS)と呼びます。造血幹細胞とは赤血球、白血球、血小板などの血液細胞のもとのことをいいます。単独の病気ではなく、複数の病気からなる症候群の集まりと考えられています。骨髄異形成症候群(MDS)では、造血幹細胞が血液細胞に成熟する過程で成長が止まったり、血液細胞に成長しても細胞が壊れていたり(無効造血)、形態や機能に異常が生じていたり(異形成)します。血液細胞のうち、赤血球、白血球、血小板すべてが減る場合と、いずれかが減る場合があります。一部は、急性骨髄性白血病に移行することがあります。
原因
不明
実は原因はわかっていません。骨髄異形成症候群になった人の特徴から以下のことが原因として考えられていますが、明確な原因は明らかになっていません。
・抗がん剤治療を受けたことのある人
・原爆などに被曝された人
・高齢者
・何らかしらの理由で遺伝子に異常が起きて変異している場合
症状
症状がなく、血液検査で明らかになる場合もあります。
貧血症状(動悸、息切れ、めまい、ふらつき)
倦怠感
発熱
出血傾向(歯ぐきからの出血、鼻出血、皮膚に点状出血)
易感染状態
検査
血液検査
赤血球・白血球・血小板の数が減少(血球減少*1)していないか確認します。
*1 ヘモグロビン濃度10g/dL未満、好中球数1,800/μL未満、血小板数10万/μL未満
顕微鏡検査
血球の形や芽球の有無について調べます。
骨髄検査(骨髄穿刺)
骨髄検査では、骨髄中の細胞の形や芽球がどのくらいあるかなどを調べます。さらに骨髄穿刺により得られた骨髄液を利用して、染色体検査、遺伝子検査を行います。
治療
対症療法
・赤血球の減少による貧血の場合は血液輸血を行います。
・血小板の減少による出血傾向の場合は血小板輸血を行います。
・白血球の減少による易感染状態の場合は感染対策と細菌感染時は抗菌薬を使用します。
化学療法
造血幹細胞移植
参考(当サイトが加工編集)
①がん情報サービス 骨髄形成症候群 (2022/09/07)