肺水腫
血液の液体成分が肺胞内へ滲み出た状態のことを肺水腫といいます。肺へ酸素を入れて、体内の二酸化炭素を出すために、肺胞と呼ばれる小さな袋で空気の出し入れを行なっています。その肺胞の周りには毛細血管が取り巻かれており、その肺胞と毛細血管との間で酸素とに炭化酸素が交換され、血液を介して全身へ酸素を供給し二酸化炭素を排出しています。この毛細血管から肺胞内に液体成分が滲み出ることにより、肺で正常にガスの出し入れが行えないことにより、呼吸不全に陥る場合があります。
原因/メカニズム
肺水腫の原因は大きく分けて2種類あります。
①心原性肺水腫
心臓(左心室)が原因で肺水腫になります。これは何らかの原因で心臓の左心室から全身へ血液を送り出す力が低下し、血液が肺に過剰に貯留する状態のことをいいます。
②非心原性肺水腫
心臓以外が原因(重症の肺炎や敗血症、重症の外傷など)で様々な疾患に引き続いて生じる肺水腫になります。これは肺の毛細血管の壁が病的に変化して、液体成分が滲み出しやすくなるためです。急性呼吸窮迫症候群になると死亡率が高くなります。
症状
・呼吸困難感
・起座呼吸
・喘鳴
・ピンク色の泡(泡沫状)の痰
・末梢冷感
・チアノーゼ
・血圧低下
・意識レベルの低下
検査
胸部レントゲン検査
治療
治療は①心原性肺水腫と②非心原性肺水腫により異なります。
・利尿薬
・抗炎症薬
・酸素投与(人工呼吸器:重症化)
参考
①一般社団法人 日本呼吸器学会 肺水腫 (2022/10/25)