骨粗鬆症
骨質と骨密度が低下し骨強度*が弱くなる病気のことをいいます。要は、骨の強さが低下して骨折しやすい状態になることです。噛み砕くと骨がスカスカでもろくて骨折しやすい病気です。骨量は成長期に増加し、20歳頃に最大骨量に達します。その後比較的安定に推移した後、加齢に伴い減少します。特に女性においては、閉経に伴い骨量が減少しやすくなります。
* 骨強度(骨の強さ)=骨密度+骨質
原因
骨粗鬆症の原因には、加齢などの除去できないものと食事や運動などの生活習慣に関わる要因で除去できるものがあります。
・加齢
・運動不足
・喫煙
・糖尿病
・ステロイド内服
・閉経
・無月経症
・日光照射不足
・偏食
・遺伝
検査
レントゲン検査
骨のもろさや骨折していないかを確認します。確定診断には骨密度の測定を行います。
骨密度の測定(DXA)
大きな骨折の起こりやすい部位(脊椎、股関節など)で骨密度を測定します。痛みを感じることなく、微量の放射線を利用して10~15分で終わります。
リスク
骨折
主な骨折部位:大腿骨頚部、腰椎、肋骨、上腕骨、橈骨、尺骨
治療
薬物療法
骨吸収抑制薬、骨形成促進薬、骨質改善薬の3種類があります。
骨吸収抑制薬
・ビスホスホネート
・カルシトニン
骨形成促進薬
・遺伝子組換えテリパラチド(フォルテオⓇ)
・テリパラチド酢酸塩(テリボンⓇ)
・ロモソズマブ(イベニティⓇ)
骨質改善薬
ケア
骨粗鬆症が原因で起こる高齢者の骨折は、生活の質(QOL)を大きく損なうため、骨粗鬆症の予防が重要となります。骨粗鬆症の予防は、最大骨量を大きくすることと、骨量減少を最小限に留めることを基本とし、除去可能な原因を早めに取り除いていきます。
服薬教育
確実に服薬が継続できるように関わります。
危険因子の除去
禁煙、カフェインやアルコールの過剰摂取を控える
食事療法
Ca,ビタミンD,Kの多く含まれる食品(乳製品、小魚、海藻類、緑黄色野菜)
運動療法
ウェイトトレーニングなどの筋力強化(主に腹筋・背筋)、有酸素運動(ウォーキングなど)、階段の昇降
転倒予防
大腿骨頚部骨折は寝たきりの原因の1つです。骨折により生命予後に大きく影響するため日常の生活で注意できるように説明していきます。
参考(当サイトが加工編集)
厚生労働省 e-ヘルスネット 骨粗鬆症の予防のための食生活(2022/1/12)