IN/OUTバランス(水分出納)
身体へ取り込まれた水分の量(IN)と身体から出ていく水分の量(OUT)を表したものがIN/OUtバランス(水分出納)になります。水分摂取量の減少や過剰な水分貯留などに対する判断で有効となります。
身体へ取り込まれる水分(IN)
飲水
経口摂取した水分量になります。ちなみに必要な水分量の計算式は色々とありますが、「体重(kg)×40」で計算できます。体重60kgの場合は「60×40=2400ml」が一日に必要な水分量になります。ここから食べ物からの水分量(1000ml)と代謝水(300ml)を引くと1100mlが経口摂取で必要な水分量となります。
食べ物
食べ物の水分量を計算するのは容易ではありませんが、一般的に1000mlと言われています。
代謝水
栄養素の分解で発生する水分になります。一般的には300mlと言われています。計算では「15ml×体重(kg)」で求めることが可能です。例えば60kgの人の場合「5ml×60=300ml」になります。
点滴(使用時)
身体から出ていく水分(OUT)
排尿
成人の場合は1000ml〜1500mlと言われています。排尿量を記録している場合は記録している量が実際の排尿量になります。
排便
便の性状や量により異なりますが、一般的に100ml/回で計算します。
不感蒸泄
室温が保たれていて安静にしている健康な成人で900mlと言われています。内容は皮膚(発汗)で600ml、呼気(呼吸)で300mlになります。高い室温や発熱、熱傷、過換気状態などで増加します。
排泄液(ドレーンカテーテルなどを使用時)
IN/OUTバランス(水分出納)の計算
IN(飲水+食べ物+代謝水+点滴)ーOUT(排尿+排便+不感蒸泄+排泄液)=0
INが多い場合
体内に水分が貯留していることを示します。
OUTが多い場合
体内の水分量が不足していることを示します。
参考
①医学用語 解説集 不感蒸泄 日本救急医学会(2023/10/09)