体温(BT/KT)
*英語では「Body Temperature (BT)」ドイツ語では「Körpertemperatur(KT)」と表記されます。
人の身体の温度のことを体温といいます。人は恒温動物であるため体温は一定に保たれています。そのため何らかの原因により体温に異常があると身体の異変に気づくことができます。
メカニズム
人が活動を行うと熱が生み出され体温が上昇します。そのことを熱産生と呼びます。熱が生み出されると、熱を放出していく必要があります。そのことにより人の体温は一定に保たれています。熱の放出のことを熱放散と呼びます。
熱産生
人の身体に熱が生まれる原因は肝臓や筋肉の活動(代謝)によって熱が生み出されます。
熱放散
汗による蒸発や輻射により皮膚表面から熱を放出し体温を下げていきます。
体温の上下には温度受容器で熱を感知し、体温調節中枢に伝えられ、熱産生と熱放散のバランスを調整し、体温を維持しています。
温度受容器
皮膚や視床下部に存在します。体の温度を感知する役割があります。
体温調整中枢
視床下部に存在します。セットポイントに合わせて体温を調整する役割があります。
正常
36.0〜36.9℃
(個人差があります。過去の体温の変動と照らし合わせて逸脱していなければ正常と判断する場合もあります。
異常
発熱
38.0℃以上〜
→感染症、膠原病、悪性腫瘍、脳出血、脳腫瘍、熱中症など
●稽留熱(38.0度以上で日内変動が1℃以内):大葉性肺炎、腸チフス、細菌性髄膜炎など
●弛張熱(日内変動が1℃以上で平熱まで戻らない):肺血症、感染症、悪性腫瘍など
●間欠熱(日内変動が1℃以上で平熱まで下がる時期がある):マラリアなど
微熱
37.0〜37.9℃
低体温
34.9℃以下〜
→低栄養、甲状腺機能低下症、アルコールの多量摂取、溺水、遭難など
測定部位
腋窩
最も一般的な体温の測定部位になります。容易に測定でき変化を受けにくい特徴があります。
口腔(腋窩+0.5℃)
腋窩より安定した測定値が得られます。
直腸(腋窩+0.8℃)
環境の変化を受けにくく、最も正確な体温になります。ただし、容易に測定することができないことや、痛みを伴うこともあるため、正確に体温を把握したい場合のみに用いられます。
鼓膜
内頸動脈を流れる血液の温度を反映しています。中耳炎などの疾患がある場合は控えた方がいいでしょう。