心臓の働き
心臓の機能
身体の隅々まで血液を送り届けています。
全身の隅々まで血液を送り届けるために、昼夜問わず24時間フル稼働している働き者です。
規則正しく動き続けています。
1分間に50回から100回/分*の速さ(心拍数)で規則正しく動いている律儀さがあります。大人では1回で心臓から出ていく血液の量(1回拍出量)は50mlから100ml/回程度です。余談ですが、りんご1個ほどの大きさで全身の隅々まで血液を送り届けられるほどの筋肉ということは相当マッチョですね。
ちなみに1回拍出量に心拍数をかける(×)と心拍出量が計算することができます。
*心拍出量:1分間に心臓から送り出される血液の量
1回拍出量×心拍数=心拍出量
心臓の構造
心臓の大きさは200gから300g。
働き物の心臓ですが大人の心臓の大きさは約200g(リンゴ1個)から300g(リンゴ1個+ミカン1個)ほどの大きさです。
心臓は筋肉(心筋)でできています。
心臓の壁は筋肉でできており心筋と呼ばれます。この筋肉は自律神経により支配されている不随意筋のため自分の意志では動かすことができません。筋肉であるため、過酷なスポーツをしている人は心筋も鍛えられスポーツ心臓と呼ばれる一時的に心肥大した心臓になりますが病気ではありません。
心臓には4つのお部屋(左心房、右心房、左心室、右心室)があります。
心臓は4つのお部屋があります。心臓の上2つが房室、下2つが心室と言います。それぞれに左右をつけて左心房、右心房、左心室、右心室とお部屋の呼びます。心房は流れ込んできた血液を下にあるお部屋の心室に送ります。心室は心臓の外へ血液を送り出していきます。血液が逆流しないように一方通行になっています。車だと標識がありますが、心臓には”弁”によって血液が逆流しないようにしています。
心臓には4つの弁(僧帽弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁)があります。
弁は下の2つのお部屋(左心室と右心室)の出入口にあります。左心室の入口は僧帽弁、出口は大動脈弁、右心室の入口は三尖弁、出口は肺動脈弁という名前の弁があります。これらの弁により血液が逆流するのを防いでいます。
[覚え方]
左利きの僧侶は大きく右へ参拝する
→左心室は僧帽弁(入口),大動脈弁(出口),右心室は三尖弁(入口),肺動脈弁(出口)
ちなみに心臓の音(拍動)は「ドックン」と表現されることがありますが、これは弁が閉じる音のことです。
「ドックン」の「ドッ」は
僧帽弁と三尖弁が閉じる音です。
「ドックン」の「クン」は
大動脈弁と肺動脈弁が閉じる音です。
心臓は電気刺激によって拍動していますが、電気の流れがあります。
電気刺激の流れ(ルート)は下のようになっています(心電図でこの流れが大切になってくるので覚えてね)。
洞結節→房室結節→ヒス束→右脚/左脚→プルキンエ繊維
血液循環のサイクル
全身への血の巡り方を知る上で大切になるのが、体循環と肺循環になります。
体循環
(体循環の流れ)左室→動脈系→体循環→静脈系→右房
酸素や栄養などを運搬するために心臓から全身に血液が送られ、全身から心臓に戻る流れになります。
肺循環
(肺循環の流れ)右室→肺動脈→肺循環→肺静脈→左房
全身へガス交換された後の血液が心臓から肺に送られ、肺から酸素が豊富な血液が心臓へ送られます。
心臓の循環調整機能
心拍数
上昇:交感神経β1刺激
減少:副交感神経刺激
心収縮力
上げる:交感神経β1刺激
下げる:副交感神経刺激
末梢血管抵抗
増やす(血管収縮):交感神経α刺激
減らす(血管拡張):副交感刺激と交感神経β2刺激