#110 脈拍 (P) pulse
脈拍
末梢動脈の拍動を脈拍といいます。通常は「心臓の拍動=末梢動脈の拍動」であるため、脈拍=心拍とされています。
メカニズム
心臓が収縮し大動脈に血液が送られることにより大動脈の内圧が高まります。その圧力の高まりが末梢動脈に伝わると脈拍として触知されます。正常な場合は心拍数と脈拍数は一致しています。一致していない場合は血管に狭窄や閉塞が考えられます。
脈拍数の正常
50〜100回/分
*正確には年齢により異なります。
脈拍数の異常
徐脈:めまい、息切れ
50回/分以下〜
→甲状腺機能低下症、薬剤(交感神経の活動を抑制するもの)
頻脈:動悸、息苦しさ
100回/分以上〜
→発熱、貧血、心不全、甲状腺機能亢進症、脱水など
脈拍のリズムの正常
一定の間隔で規則正しい
脈拍のリズムの異常
リズム不整
脈拍のリズム間隔が乱れます。
結滞
脈拍の一部が触知できなくなります(脈が飛ぶと表現されます)。
脈拍の左右差
正常
左右差はありません。
異常
左右差があります。
触知部位
総頸動脈
→総頸動脈が触れると血圧は60mmHg以上ある
大腿動脈
→大腿動脈が触れると血圧は70mmHg以上ある
橈骨動脈
→橈骨動脈が触れると血圧は80mmHg以上ある
足背動脈
上腕動脈