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#71 梅毒 syphilis

梅毒

梅毒

性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによってうつる感染症です。

感染すると全身に様々な症状が出ます。早期の薬物治療で完治が可能です。検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。時に無症状になりながら進行するため、治ったことを確認しないで途中で治療を中断しないことが重要です。また完治しても、感染を繰り返すことがあり、再感染の予防が必要となります。

原因

梅毒トレポネーマ(病原菌)

病名は症状にみられる赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来します。

症状

感染してからの期間によって症状の出現する部位や内容が異なります。

感染して約3週間(第Ⅰ期)

初期には、感染がおきた部位(主に陰部、口唇部、口腔内、肛門等)にしこりができることがあります。また、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることもあります。痛みがないことも多く、治療をしなくても症状は自然に軽快します。 しかし、体内から病原体がいなくなったわけではなく、他の人にうつす可能性もあります。感染した可能性がある場合には、この時期に梅毒の検査が勧められます。

感染して数か月(第Ⅱ期)

治療をしないで3か月以上を経過すると、病原体が血液によって全身に運ばれ、手のひら、足の裏、体全体にうっすらと赤い発疹が出ることがあります。小さなバラの花に似ていることから「バラ疹」とよばれています。発疹は治療をしなくても数週間以内に消えたり再発を繰り返すこともあります。しかし、抗菌薬で治療しない限り、病原菌である梅毒トレポネーマは体内に残っており、梅毒が治ったわけではありません。アレルギー、風しん、麻しん等に間違えられることもあります。この時期に適切な治療を受けられなかった場合、数年後に複数の臓器の障害につながることがあります。

感染して数年(晩期顕性梅毒)

感染後、数年を経過すると、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生することがあります。また、心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、場合によっては死亡に至ることもあります。現在では、比較的早期から治療を開始する例が多く、抗菌薬が有効であることなどから、晩期顕性梅毒に進行することはほとんどありません。また、妊娠している人が梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染し、死産、早産、新生児死亡、奇形が起こることがあります(先天梅毒)。そのため早期検査・早期治療が大切になります。

感染経路

感染部位と粘膜や皮膚の直接の接触です。
具体的には
●性器と性器
●性器と肛門(アナルセックス)
●性器と口の接触(オーラルセックス)
等が原因となります。

検査方法

医師による診察血液検査(抗体検査)で判断します。

第Ⅰ期の最初の数週間は抗体検査をしても陽性反応が出ないことがあるため、感染してから十分な期間(約3週間)をおいて、検査結果を確認する必要があります。
検査結果を正確に判断するために、感染の可能性がある時期や感染の予防状況(コンドーム使用等)について伝えましょう。
梅毒に感染していたとわかった場合は周囲で感染の可能性がある方(パートナー等)と一緒に検査を行い、必要に応じて一緒に治療を行うことが重要です。相手が感染してて治療しないと、その相手から再度感染することになります(ピンポン感染)。

検査場所

基本的に全ての医療機関で検査は可能です。

地域によっては保健所で匿名/無料で検査可能(*)なところもあります。
*「保健所」と検索すると梅毒の検査が可能か出てくるよ!

治療

一般的には、外来で処方された抗菌薬を内服することで治療します。

内服期間等は病期により異なります。病変の部位によっては入院して点滴で抗菌薬の治療を行うこともあります。そのため早期に検査して早期に治療することが大切になります。医師が治療を終了とするまでは、処方された薬は確実に飲みましょう。性交渉等の感染拡大につながる行為は、医師が安全と判断するまではひかえましょう。また、周囲で感染の可能性がある方(パートナー等)と一緒に検査を行い、必要に応じて、一緒に治療を行うことが重要です。

感染予防

コンドームを使用し感染部位と粘膜や皮膚が直接接触をしないようにします

ただし、コンドームが覆わない部分の皮膚などでも感染がおこる可能性があるため、コンドームを使用しても100%予防できず皮膚や粘膜に異常があった場合は性的な接触を控え、早めに医療機関を受診して相談しましょう。

一度梅毒になったら再感染しない?

再感染する可能性があります。

感染した人の血液中には、一定の抗体がありますが、再感染を予防できるわけではありません。このため適切な予防策(コンドームの使用、パートナーの治療等)が取られていなければ再感染する可能性があります。

引用(当サイトが加工/編集2021/09/29)
*1 厚生労働省 梅毒に関するQ&A *2 NIID 国立感染症研究所 梅毒とは

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